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国立大学法人
名古屋工業大学
466-8555
名古屋市昭和区御器所町
~界面現象の理解から機能の創出を目指す~
物質の「表面」は、その内部相とは大きく異なる性質を持っています。周囲の環境に対して敏感に変化する表面の様子は、様々な表情を見せる物質の顔そのものです。表面に対する十分な理解なしには、材料の潜在能力を引き出すモノ作りは難しいと言えます。特に、ナノ材料においては、体積に対する表面の割合が極端に大きくなるため、表面の果たす役割が非常に大きくなります。

異なる物質相の表面同士が接する「界面」は、さらに複雑な様相を呈します。特に、電子やイオンなどの荷電粒子が往来できる界面は、電気エネルギーの貯蔵・変換に関わる「反応場」となります。例えば、電池の充放電においては、電極と電解質の界面で電気エネルギーと化学エネルギーの変換が行われます。半導体太陽電池では、p型とn型半導体の界面が電気エネルギーの取り出しに寄与しています。このように、界面はエネルギーデバイス設計において決定的な役割を果たしています。

当研究室では、界面電子移動界面エネルギー移動に着目して、界面現象の理解と制御に関する基礎科学の観点からエネルギー問題への貢献を目指しています。主に固体電極と電解液から成る電気化学界面を対象に、その微視的構造とダイナミクスに対する深い理解を通じて、電気化学反応の本質に迫ります。

(電気化学界面を視る)
電気化学界面への理解を深めるには、界面の微視的構造を視る必要があります。一般に化学構造の情報を得るには、赤外吸収法やラマン散乱法などの振動分光法が用いられます。しかし、電気化学界面に形成される厚さnm~mm程度の電気二重層構造を調べるには、非常に高い測定感度が必要になります。更に、厚さmm~cmの電解液内部相に邪魔されずに界面だけを視る特別な方法も必要となります。当研究室では、表面増強法によって電気化学界面の選択計測を実現しています。表面増強赤外吸収法(SEIRAS)と表面増強ラマン散乱法(SERS)の両方を自在に操り、電気化学界面へ適用する高いノウハウを有しています。また、新しい分光計測法の開発も随時進めています。

(電気化学界面を測る)
界面の微視的構造とマクロな界面電子移動特性との関係性を明らかにするには、精密な電気化学計測技術も欠かせません。当研究室では、回転電極法やインピーダンス法、EQCM法などの様々な電気化学計測技術を駆使しています。電極表面の原子レベル構造が界面電子移動に与える影響を調べるため、時には原子スケールで構造規制された単結晶金属の電極を使用する、精密な表面電気化学計測を行っています。なお、単結晶電極表面における表面増強ラマン散乱計測は、当研究室が世界で初めて実現しました。

(電気化学界面を創る)
電気化学界面での機能設計は、電極側と電解液側双方での最適化が求められます。例えば、電極側の機能性は、異種金属層や機能性分子層による表面修飾によって積極的に制御することが可能です。また電解液として、極性溶媒を含まないイオン液体の利用が近年はよく検討されており、従来とは異なる電気化学界面を考える必要が出てきています。当研究室では、分子修飾電極を用いた電極触媒や光機能性電極の設計に関する基礎的研究、イオン液体電解液における電極反応制御などを行っています。